GALLERY実例紹介

南西角地のゆとりある家

「提案された間取り図面の4帖とか4.5帖と書かれているのを見て、狭いんじゃないかなぁと思っていたんですね(笑)。いやいや、十分だと思いますよと返されて。いざ暮らしてみるとあぁ確かにそうだなと。(すいません)」
広さの感覚を数値で表されると、どうしても従来の住居が基準になってしまう。初めての家づくりでは起きうることだ。誰にでも適応できるようにつくられた集合住宅と、自分たちの暮らしについて考え抜かれた住宅とでは、面積数値では比較できない感じ方がある。収納の量と位置、窓からもたされる開放感・・・・・まだまだたくさんある。

「キッチンを含めた家事動線は、スムーズに動けるくらいのゆとりが欲しいと伝えました。やっぱり私が一番使う場所ですし」奥様からの要望への回答は当初より50mm広く950mmの通路幅とした。わずか5センチであるが「すれ違いにも支障がなく快適です」と。実際に暮らしてみると、数値以上のゆとりを感じる毎日だ。

玄関を入ると珪藻土のボードに仕切られて、その向こうはアイロン台、洗濯機、物干し、洗面化粧台が一体となっている。一方でリビングへの動線にもなっており、来客時でもプライベートな空間とは仕切られながらも圧迫感がない。事務用品で使うファィルボックスをハンガーボックスとして活用したり、既製のシェルフの棚と棚の間を利用して小さな物干しに活用するなど、奥様の生活アイディアが随所に見られる。

最後に打ち合わせのやりとりを聞いてみた。
「私たちがこんな風にしたいとお伝えすると、それは本当に必要ですか?だったらこうしませんか?こんな感じだったらどうですか?など、私たちが描いていた要望の“奥にあること”を一緒に考えてくれている打ち合わせだったように思います」